For full functionality of this site it is necessary to enable JavaScript.

PXIシャーシ (NI)

自動試験システムや計測プラットフォームを安定して構築するうえで、モジュールそのものだけでなく、全体を支えるベース選びは非常に重要です。スロット数、帯域、クロック、給電方式、冷却性能といった条件が、将来の拡張性や測定の再現性に大きく関わるため、用途に合ったPXIシャーシを選ぶことがシステム設計の出発点になります。

このカテゴリでは、NIを中心としたPXI/PXI Expressシャーシに加え、用途によっては負荷カードやライン切替カードを収容するVitrekのシャーシも視野に入れながら、計測・検証環境の構築に必要な考え方を整理できます。研究開発、製造試験、評価設備の更新まで、B2Bの導入検討で押さえたいポイントをわかりやすくまとめています。

計測システム構築に用いられるPXIシャーシのイメージ

PXIシャーシが担う役割

PXIシャーシは、各種計測・制御モジュールを搭載するための筐体であり、単なる収納部ではありません。バックプレーンを介したデータ転送、モジュールへの電源供給、システムクロックの配布、トリガ同期、放熱設計など、計測システムの基盤としての機能を一体で担います。

たとえば、波形観測、信号切替、電源印加、データ収集を1つのラック内で連携させる場合、シャーシ側の仕様が不足すると、モジュール性能を十分に引き出せないことがあります。特に多チャンネル化や高速化が進む現場では、シャーシ選定がそのままシステム全体の余裕度に直結します。

選定時に確認したい主なポイント

まず確認したいのはスロット数です。現在必要なモジュール数だけでなく、将来的な増設や冗長構成も見据えて選ぶと、設備更新のたびに構成を見直す負担を減らせます。コンパクトな1スロット級から、10スロット、18スロット級まで、導入規模によって適したレンジは変わります。

次に重要なのが、システム帯域、クロック精度、外部クロック対応、電源方式、各スロットの冷却能力です。高速データ転送を伴うアプリケーションでは帯域に余裕があるモデルが有利で、同期性が重視される試験ではOCXOなどのクロック条件が判断材料になります。さらに、ACかDCか、設置環境に応じた電源条件も見落とせません。

代表的なNI PXIシャーシの特徴

NIのラインアップには、用途別に選びやすい複数のPXI Expressシャーシがあります。たとえば、NI PXIe-1095は18スロット構成で、24 GB/sクラスのシステム帯域に対応するモデルがあり、多モジュール構成や拡張性を重視するシステムに向いた選択肢です。OCXO搭載版とVCXO搭載版があるため、同期条件に応じた比較もしやすくなっています。

中規模構成では、NI PXIe-1092のような10スロットモデルがバランスのよい候補になります。一方で、NI PXIe-1088は9スロット構成で、比較的シンプルなシステムを組みたい場面で検討しやすいモデルです。さらに、18スロット帯ではNI PXIe-1085、NI PXIe-1086、NI PXIe-1086DCのように、帯域、AC/DC電源、冗長ハードウェア対応の違いから選択肢を整理できます。

IoTエッジや分散配置を意識した構成

計測設備がラボ内に固定されるとは限らず、近年は装置組み込みや現場分散設置のニーズも増えています。そうした文脈では、NI HPE Edgeline EL1000 Converged IoT PXI ChassisやNI HPE Edgeline EL4000 Converged IoT PXI Chassisのように、エッジ環境との親和性を意識した構成も有力です。

1スロットのEL1000は限られたスペースでの導入を検討しやすく、4スロットのEL4000はより複数モジュールを活用する構成に対応しやすい設計です。設置方向やマウント位置の違いは、装置内組み込みや保守動線にも影響するため、単にスロット数だけでなく、運用面まで含めて比較するのが実務的です。

シャーシと組み合わせる周辺カテゴリ

PXIシャーシは単体で完結する製品ではなく、搭載するモジュールとの組み合わせで価値が決まります。たとえば、信号の切替や多点試験を行う場合はスイッチ(NI)、電圧・電流の精密測定を重視するならデジタルマルチメータ(NI)、印加と測定を一体で行いたい場合はソース測定単位との相性を確認すると、構成の全体像が見えやすくなります。

また、外部機器との接続が多いシステムでは、通信インターフェースの整合も欠かせません。PXIベースの自動化環境を検討する際は、モジュール性能だけでなく、どの測定器や制御機器と連携させるかまで見通しておくことが重要です。

Vitrekのシャーシを検討する場面

同じ「シャーシ」でも、用途によって求められる役割は異なります。Vitrek 1500 ライン/ロードシャーシは、一般的なPXI計測シャーシとは少し異なり、ラインスイッチや固定抵抗負荷カード、可変抵抗負荷カード、導通角制御関連カードなどを収容するためのプラットフォームとして位置付けられます。

このような製品は、電源・負荷試験や専用治具に近い構成で評価環境を組む際に有効です。つまり、シャーシ選定では「PXI規格の汎用計測基盤が必要なのか」「特定の試験用途向けにカードを組み込むのか」を切り分けることが大切で、外形や収容数だけでは判断しにくい部分まで確認する必要があります。

導入時の実務的なチェックポイント

実際の導入では、モジュール互換性、ラック内スペース、給排気方向、保守時のアクセス性、将来の増設予定をあらかじめ整理しておくと、選定ミスを防ぎやすくなります。特に18スロット級の大型シャーシは高い集約性がある一方で、搭載モジュールの発熱や配線量も増えるため、周辺環境を含めた設計が重要です。

また、評価段階では十分でも、量産試験に移行するとI/O点数やスループット要件が急に増えることがあります。短期的な必要数だけで決めるのではなく、拡張性同期性保守性を含めて比較することで、長く使える構成を選びやすくなります。

まとめ

PXIシャーシは、測定モジュールを載せるための箱ではなく、データ転送、同期、給電、冷却を支える中核要素です。NIのPXIe-1095、PXIe-1092、PXIe-1088、PXIe-1085、PXIe-1086、PXIe-1086DCや、Edgelineシリーズのような選択肢を比較することで、研究開発向けから設備組み込み向けまで、目的に応じた構成を検討できます。

さらに、周辺モジュールや接続機器との関係まで見据えることで、導入後の運用効率や拡張のしやすさにも差が出ます。用途、設置条件、必要な性能レンジを整理しながら、自社の試験・計測環境に合ったPXIシャーシを選定してみてください。

























































































































おまけチャンス‐ニュースを受ける登録