ショア硬さ試験機
ゴム、エラストマー、軟質樹脂などの材料評価では、圧痕の入りやすさを数値で比較できることが重要です。製造現場の受入検査から研究開発、品質保証まで、材質差やロット差を見極める場面で活用されるのがショア硬さ試験機です。対象材料や測定条件に合った機種を選ぶことで、日常検査の再現性と判断のしやすさを高められます。

ショア硬さ試験機が使われる場面
ショア硬さ試験は、材料表面に押し子を押し当て、入り込み量に応じて硬さを読み取る方法です。特にゴム、プラスチック、各種弾性材料の比較評価に広く用いられ、配合変更後の確認、出荷前検査、試作段階での材料選定などで役立ちます。
金属向けの硬さ評価とは求められる測定方式が異なるため、対象が軟質材料中心であればショア方式が適しています。一方で、金属部品や焼入れ材などの評価が主目的なら、超音波硬度計や他方式の検討が自然です。
Shore A・Shore Dを中心に選ぶ考え方
ショア硬さ試験機を選定する際は、まず測定対象の硬さ領域を整理することが大切です。一般に、柔らかいゴムやエラストマーではShore A、より硬い樹脂や硬質材料寄りではShore Dが候補になります。測定対象が異なれば、押し子形状や加圧条件の考え方も変わります。
たとえばPCE DDA 10 デュロメータ (0~100 Shore A) や PCE DDA 10-ICA デュロメータ (0~100 Shore A; ISO Calibration Cert.) はShore A領域の評価を行いたい場合の代表例です。対して、PCE DDD 10-ICA デュロメータ (0~100 Shore D; ISO Calibration Certificate) や ELCOMETER 3120 Shore Durometer (Shore D) は、より硬い材料側の確認に向いた構成として検討しやすい製品です。
ハンディ測定と試験スタンドの違い
現場での持ち回りや、複数箇所を手早く確認したい用途では、ハンディタイプのショア硬さ試験機が便利です。たとえばPCEのデュロメータ群には、Shore AやShore Dに対応する携帯型の選択肢があり、日常点検や工程内確認に取り入れやすい構成があります。
一方で、測定者による押し当て方の差を減らしたい場合は、試験スタンドの活用が有効です。ELCOMETER 3120 Test Stand BS 61 II (Shore A, B & O) や ELCOMETER 3120 Test Stand BS 61 II (Shore D, C & DO) のようなスタンドは、一定荷重での測定を補助し、比較試験や記録用途での再現性向上に貢献します。
代表的なメーカーと製品例
このカテゴリでは、TECLOCK、ELCOMETER、PCEといったブランドの製品が注目されます。メーカーごとに、手持ちで使いやすい構成、試験スタンドとの組み合わせ、証明書付きモデルなど、導入目的に応じた選択肢があります。
たとえばTECLOCK GS-701N Durometer や TECLOCK GS-750G デュロメーターは、ショア測定の基本機として検討しやすいモデルです。ELCOMETER 3120 Shore Durometer (Shore A & 10N weight) や ELCOMETER 3120 Shore Durometer (Shore D & CERT) のように、荷重条件や証明書の有無を意識した製品もあり、品質管理手順に合わせて選定しやすくなっています。
選定時に確認したいポイント
導入前には、まず被測定物の材質、硬さレンジ、試験片の厚みや形状を確認するのが基本です。柔らかい材料を測るのか、硬質樹脂まで含むのかによって、Shore AとShore Dの選択が変わります。加えて、量産検査なのか、研究用途なのかで必要な分解能や記録性も変わってきます。
次に、校正証明書の必要性、データ保存の有無、スタンド使用の前提を整理すると比較しやすくなります。たとえばPCE DDA 10-ICAやPCE DX-AS-ICAのような証明書付きモデルは、トレーサビリティを重視する現場で検討しやすい構成です。再現性をさらに重視するなら、硬さ試験機の標準ブロックとあわせた運用も確認するとよいでしょう。
他の硬さ試験機との使い分け
硬さ試験には複数の方式があり、ショア方式は主に高分子材料や弾性材料の評価に適しています。材料が金属中心で、非破壊での簡便測定を重視する場合はリーブおよびハンドヘルド硬度計が候補になることがあります。試験法を誤ると、必要な比較がしにくくなるため、対象材に合ったカテゴリ選択が重要です。
また、より規格化された圧子方式で金属材料を評価したい場合には、ロックウェル硬さ試験機のような別方式が適するケースもあります。ショア硬さ試験機は万能機ではなく、用途が明確な分、対象材料に合えば効率よく比較評価できるのが強みです。
安定した測定のための運用ポイント
ショア測定では、試験片の置き方、押し当て速度、接触状態などが結果に影響しやすいため、測定条件の統一が重要です。特に柔らかい材料では、支持面の状態や試験片の厚み不足によって値がぶれやすくなります。複数サンプルを同じ条件で測ることが、実務上の比較精度を高める近道です。
また、定期的な点検や確認片の活用によって、日常の測定値の安定性を見直しやすくなります。現場運用では、本体単体の使いやすさだけでなく、校正対応、スタンド併用、測定記録の残しやすさまで含めて選ぶことが、導入後の満足度につながります。
まとめ
ショア硬さ試験機は、ゴムや樹脂などの硬さを効率よく比較したい現場に適した測定機器です。Shore AとShore Dの違い、ハンディ型とスタンド使用の違い、証明書や再現性への要求を整理することで、必要な機種はかなり絞り込みやすくなります。
カテゴリ内では、TECLOCK、PCE、ELCOMETERのように用途別の選択肢が揃っており、日常検査から品質保証まで幅広いニーズに対応しやすい構成です。測定対象の材質と運用条件を明確にしながら、自社の検査フローに合ったショア硬さ試験機を選定してみてください。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
